長編アニメ『白蛇伝』(1958年公開/演出:藪下泰司/東映動画株式会社(現・東映アニメーション株式会社)のデジタルリマスター版が、フランス・カンヌ市で2019年5月14日(火)(現地時間)から25日(土)まで開催される第72回カンヌ国際映画祭のカンヌクラシック部門で上映されることになりました。

 

「カンヌクラシック部門」はカンヌ国際映画祭の正式部門の1つで、過去の名作映画の再発見や、修復された偉大な作品の紹介などを目的として2004年に設立されました。

 

当部門における東映作品の選出については、2015年に『仁義なき戦い』(1973年公開/深作欣二監督)、2017年に『楢山節考』(1983年公開/今村昌平監督)のデジタルリマスター版が上映されて以来となります。

 

 

本作は白蛇の化身である白娘(バンヤン)とその恋人・許仙(シュウセン)の純愛を綴った中国の民話をモチーフにし、美しい音楽と豊かな色彩をもちりばめた日本のアニメーション史上の一頁を飾るにふさわしい作品となっています。

 

 

主なスタッフには、実力派アニメーターの大工原 章さん、森康二さんに加え、新人として入り、やがて日本のアニメーション界を支える人材へと育っていく大塚康生さん、奥山玲子さん(NHK連続テレビ小説『なつぞら』で主人公『奥原なつ』のモデルとされています。)などがおられます。今回、国立映画アーカイブ、東映アニメーション㈱、東映㈱との共同作業にて4Kスキャンニング・デジタルリマスター化され上映されるにいたりました。

 

 

アニメーション草創期の初々しい感性と作り手たちの情熱が観る者の心を打ち、時を経て日本のアニメーション映画史上に残る名作としてフランス・カンヌにて甦ります。