東映アニメーション株式会社(以下、東映アニメ)は、東映アニメの新規IP(※1)研究開発チームである「PEROs」(※2)が、長崎県佐世保市を舞台にした約5分間の実験映像『URVAN』(ウルヴァン)を、長崎国際大学の協力のもとに製作し、来たる2021年1月下旬に公開することをお知らせいたします。
※12月20日(日)に「きらきらフェスティバル in SASEBO」内で実施の長崎国際大学による『佐世保 新アニメ始動!?』発表会を予定しておりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、発表会が中止となったため、本プレスリリースをもって、発表とさせていただきます。
※1 IP(Intellectual Property):キャラクターの著作権や商標権等の知的財産権
※2 PEROs(ペロズ Prototyping and Experimental Research in Oizumi Studio):「大泉スタジオにおける試作開発と実験的研究」。詳細は後述します。
【『URVAN』(ウルヴァン)とは?】
東映アニメーションの映像制作拠点である大泉スタジオにおける新技術・オリジナルIPの研究開発の取り組みである「PEROs」で開発された約5分間の実験映像=パイロットフィルムが『URVAN』(ウルヴァン)です。
『URVAN』は、佐世保の地域プロモーションに取り組む、長崎国際大学 人間社会学部 国際観光学科 尾場均研究室(以下、「尾場ゼミ」)との連携のもとで生まれました。
2020年春に始動した『URVAN』プロジェクトですが、コロナ禍による移動制限によって、「PEROs」チームによる佐世保での現地取材・ロケハンは困難となりました。そこで、制約条件の中で、新しい映像表現や制作方法を活用して、新たなIPを生み出し、佐世保に一度も行くことなく、地域の新たな魅力を創造する、コロナ禍におけるアニメ製作に挑戦しました。
■本プロジェクトでの取り組み
本プロジェクトでは、「新たなIP開発」と「地域ブランド強化」を同時に実現すべく、以下の3点に取り組んでいます。
(1)新しい映像表現、制作方法によるIP開発
①東映アニメは佐世保に一度も行くことなく、リモートでロケハン
佐世保の風景のロケハンについては、尾場ゼミと緊密に連携しながら、東映アニメは全てリモートで対応しました。尾場ゼミの学生が撮影した佐世保の魅力あふれる風景写真をもとに、東映アニメがアニメの背景素材を作成しました。
②最新コミュニケーションツール(「Zoom」「Box」「Slack」)の活用
ユニファイド・ビデオコミュニケーションプラットフォーム「Zoom」によるWeb会議、クラウド・コンテンツ・マネジメントプラットフォーム「Box」によるファイル共有・コラボレーション、メッセージプラットフォーム「Slack」によるタイムリーなコミュニケーションなどをフルに活用し、お互いが離れている状況でもスムーズな意思疎通、データ共有を実現しました。
③「地域資源」(風景・特産品・文化等)とクリエイティブアイデアの融合
地域が有する豊富な「地域資源」(景観・特産品・文化等)に、「サイバーパンク」「アクション」という要素を掛け合わせた新たなIP作り、「絵作り」に挑戦しました。
(2)地域の新たな魅力を創造
①地元の人だけが知る、隠れた「地域資源」の発掘
知名度のある観光スポットだけでなく、地元の人だからこそ知っている風景・特産品・文化等を尾場ゼミの学生がピックアップし、作品に取り込みました。
【登場する佐世保の風景・特産品】
・風景
長崎国際大学、針尾無線塔、早岐瀬戸(はいきのせと)、佐世保市東部クリーンセンター、佐世保駅(JR九州)、アルカスSASEBO、させぼ四ヶ町商店街、眼鏡岩(めがねいわ)、九十九島パールシーリゾート(九十九島水族館海きらら、九十九島海賊遊覧船みらい)、神崎鼻(こうざきばな、日本本土最西端の地)
・特産品
佐世保独楽(こま)、佐世保豆乳、佐世保バーガー、サンドイッチ、九十九島せんぺい
②アニメ表現の「異化作用」(※3)による「尖った」「映える」映像
風景・特産品・文化等をサイバーパンク風に表現することで、地元の人にとっても新鮮な「尖った」「映える」映像を生み出しました。
※3 異化作用:慣れ親しんだ日常的な事物を奇異で非日常的なものとして表現すること
③尾場ゼミがプロデュースするキャラクター「碧波みなと」との連携
作品のプロモーションにあたっては、尾場ゼミがプロデュースするキャラクターで、「佐世保市観光大使(非公認)」としてSNS(Twitter、Instagram)で活動中の「碧波みなと」(あおばみなと)」と連携します。
「碧波みなと」
・Twitterアカウント
@MINATOatSASEBO https://twitter.com/minatoatsasebo/
・Instagramアカウント
minatoatsasebo https://www.instagram.com/minatoatsasebo/
(3)新たな才能の発掘・育成
キャラクターデザイン、作画、美術、色彩設計、製作進行などメインスタッフには、若手スタッフを多数起用。
ベテランスタッフが支援しつつ、若手スタッフの自由な発想による映像作りを実現します。
また、通常の作品以上に、製作工程間での相互作用を促進し、「多能工型人材」の育成を図っています。
■見どころ
『URVAN』とは、「お盆」すなわち「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の語源といわれる、紀元前7世紀頃の古代アヴェスター語「ウルヴァン(霊魂)」を指します。
本作品『URVAN』は、長崎県佐世保市を舞台に、霊を迎え入れ、そして送り出すお盆をモチーフに、「非日常」と「日常」が交錯する、神秘的でどこかなつかしい、サイバーパンクアクションです。
<作品概要>
・タイトル: 『URVAN』(ウルヴァン)
・原作/製作:東映アニメーション株式会社
・協力
現地コーディネート:長崎国際大学 人間社会学部 国際観光学科 尾場均研究室
ロケハン協力:長崎県フィルムコミッション(JFC) 他
※スタッフ等のより詳細な情報は、全編(約5分)公開時にお知らせします。
■1月下旬 実験映像の全編(約5分)の公開予定
1月下旬に全編を公開予定です。新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑み、イベント等でのお披露目は実施せず、YouTube(東映アニメーション公式チャンネル)での配信に加え、九州テレ・コミュニケーションズ株式会社の協力のもと、地元ケーブルテレビ「テレビ佐世保」での放送を予定、全世界のアニメファンと地元の老若男女に応援される作品を目指します。
■今後の展開
本作品は、現時点ではあくまで「実験映像」であり、今後の展開については未定ですが、地域の皆様に愛され、地域を盛り上げつつ、新たなオリジナルIPとして成長できるよう鋭意努力していきます。
何卒ご支援のほどよろしくお願いいたします。
【「PEROs」(ペロズ)とは】
「大泉スタジオにおける試作開発と実験的研究」(Prototyping and Experimental Research in Oizumi Studio)を目的とした取り組みです。
1956年の創立以来60年以上にわたり、日本のアニメーションの「開拓者」として挑戦し続けてきた東映アニメーション独自の演出・作画技法等の「伝統」に CG・xR・AI等の最新のデジタル技術による「革新」を加え、常識にとらわれない「想像力」と、それを具現化する「創造力」を組み合わせ、新たな映像表現への挑戦とオリジナルIPの開発を行います。
また、ベテランスタッフが培ってきた東映アニメーション独自のノウハウを若手スタッフに継承して、人材育成も行っていきます。
【長崎国際大学とは】
学校法人九州文化学園を母体に、人間尊重を基本理念に、長崎県と佐世保市および地元経済界の支援による「公私協力方式」によって平成12年に誕生。平成14年に健康管理学部、平成16年に人間社会学研究科、平成18年に薬学部と健康管理学研究科、平成26年に薬学研究科を設置し、3学部4学科、3研究科5専攻を有する総合大学に成長。
公式ウェブサイト:https://www1.niu.ac.jp/
ⓒ東映アニメーション